騒音で警察に通報する基準は?「何dBなら違法」は誤解|相談先6つを比較

隣人の騒音で警察に通報すべきか迷う人へ。法律に通報してよいdBの基準はありません。110番と#9110の使い分け、軽犯罪法と判例の考え方、差止めのみなら手数料6,500円の民事調停まで、6つの相談先を出典付きで比較します。

騒音で警察に通報する基準は?「何dBなら違法」は誤解|相談先6つを比較
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  • 暴言・脅し・物を壊すなど、いま危険があるとき:110番
  • 急ぎではない相談:警察相談専用電話 #9110
  • 足音などの生活音:管理会社・管理組合、自治体、民事調停へ

騒音で警察に通報する基準は?まず何をすべきかの結論

いまどこに連絡する?5問の診断チャート

  1. いま暴言・脅し・物を壊す行為がある? → 110番。長野県警察の#9110案内も「緊急の事件・事故の通報は110番」としています。
  2. 深夜の異常な大音量が、いま続いている? → 110番も選択肢です。警察官が注意(制止)したのに続けた場合、軽犯罪法1条14号が問題になりえます。注意があった日時はメモします。
  3. 足音や生活音がときどき続く? → 賃貸なら管理会社・大家、分譲なら管理組合へ。
  4. 注意を伝えても改善しない? → #9110と自治体の環境課に相談します。
  5. 長く続いている、または体調を崩した? → 民事調停や弁護士へ。

騒音は何デシベルから違法?4つの物差しの違い

物差し性格数値の例隣室・上階の音への当てはまり
環境基準(環境省告示)行政上の政策目標住居地域(A・B類型)昼55dB以下・夜45dB以下規制基準ではない
東京都環境確保条例136条・別表第13規制基準第1種区域は8〜19時45dB、それ以外の時間帯40dB敷地境界で測る。同じ建物内の住戸間は対象外
民事の受忍限度(判例)損害賠償などの判断東京地判平成19年10月3日では50〜65dB程度の足音音量・時間帯・期間・相手の対応などで判断
軽犯罪法・刑法処罰数値の定めなし制止の無視、故意の健康被害など行為で判断
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※出典:茨城県「騒音に係る環境基準について」、東京都環境局「日常生活等の騒音の規制基準」、東京地判平成19年10月3日判決文、軽犯罪法(いずれも2026年10月3日確認)。

環境基準は「維持されることが望ましい」目標

東京都条例は同じ建物の住戸間には使えない

統計で見る:家庭生活が原因の騒音苦情は約7%

騒音の主な発生原因(令和6年度)件数
工事・建設作業7,440件
産業用機械作動2,883件
飲食店営業1,144件
カラオケ740件
家庭生活(機器459・ペット241・その他602)1,302件
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隣人の騒音はどの段階?刑事事件になるまでの見分け方

段階そろう事実根拠刑の種類
① 注意通報を受けた警察官などの制止――
② 軽犯罪法制止をきかず、異常に大きな音で近隣に迷惑軽犯罪法1条14号拘留(1日以上30日未満)または科料(1,000円以上1万円未満)
③ 傷害罪長期間わざと続け、健康被害が生じる刑法204条、奈良地判平成16年4月9日15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
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※出典:軽犯罪法、刑法16条・17条・204条(e-Gov法令検索、2026年10月3日確認)、奈良地裁判決文。

軽犯罪法は「制止をきかずに」がカギ

傷害罪になった奈良の騒音事件

具体的な解決方法:相談先6つの比較と使い方

相談先向いている場面費用できること
110番いま危険がある、異常な大音量が続く無料現場対応・注意。制止を無視すれば軽犯罪法の問題になりうる
#9110続く騒音の相談通話料相談・助言
自治体の環境課条例の対象になる音、生活音の調整制度無料(騒音計を貸し出す自治体もある)制度に応じた調査・指導・助言
管理会社・管理組合足音・生活音無料規約や契約にもとづく注意、掲示・配布
簡易裁判所の民事調停話し合いで止めてほしい差止めのみなら手数料6,500円+郵便切手成立すれば調停調書(確定判決と同じ効力)
訴訟慰謝料・差止めを求める手数料・弁護士費用など判決
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※出典:軽犯罪法、長野県警察「#9110」、練馬区「騒音計・振動計の貸出」、国分寺市条例、裁判所「民事調停」「手数料額早見表」(いずれも2026年10月3日確認)。

#9110に相談するときの流れ

  1. いつから、どんな音が、何時ごろ続くかをメモする
  2. 受付時間内に#9110へかける
  3. 管理会社などに相談した状況も伝える
  4. 相談日時と説明された内容を記録する

民事調停:差止めだけなら手数料6,500円

  1. 相手の住所地を管轄する簡易裁判所で申立書を入手する
  2. 求めたいこと(時間帯など)と記録をまとめて申し立てる
  3. 調停委員を交えて話し合う
  4. 合意できれば調停調書を作る。不成立なら訴訟などを検討する

騒音計の無料貸出は「参考値」

証拠記録シート

日付時刻(22〜6時か)音の種類測定値dB(機器・場所)続いた時間伝えた注意と相手の反応体調(受診)相談先
記入例:10/123:10〜(夜間)足音58dB(区の騒音計・居間)約40分管理会社経由で注意、変化なし寝つけず、受診なし#9110
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ケース別の対処:賃貸・分譲・戸建て、警察が動かないとき

賃貸マンション・アパート

分譲マンション

戸建て・近所の家

警察が動かないときは?

  1. 警察官が来た日時と、その後の様子を記録する
  2. #9110で相談し、相談日時を記録する
  3. 記録を持って管理会社・管理組合・自治体へ相談する
  4. 改善しなければ民事調停や弁護士への相談を検討する

予防・再発防止のコツ

  • 合意は書面に:「22時以降は洗濯機を使わない」など、時間と行動を具体的に書きます。
  • 連絡ルートを決める:直接ではなく管理会社を通す方法もあります。
  • 記録を続ける:ぶり返したときにすぐ動けます。
  • 住み替え時は夜にも下見:時間帯を変えて建物の様子を確かめます。

判例をどう読む?東京地裁平成19年判決のポイント

やってはいけないNG対応

NG対応危ない理由代わりに
壁や天井をたたき返すこちらが音を出す側になる。東京地裁の事件でも、原告が天井を突いたことを非難する手紙が届いた記録をつける
夜中に押しかける口論になるおそれ管理会社を通す
名指しの張り紙・SNS投稿名誉毀損などを問われるおそれ全戸向けの注意文を頼む
急ぎでないのに110番を繰り返す110番は緊急通報用#9110に相談する
家賃を止める契約違反になるおそれ管理会社と話し合う
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まとめ:今日からできる3つの行動

よくある質問

騒音は何デシベルから違法ですか?

#9110では何をしてもらえますか?

騒音は軽犯罪法で罰せられますか?

民事調停の費用はいくらですか?

通報したことは相手に知られますか?

出典(確認日:2026年10月3日)

  • 茨城県「騒音に係る環境基準について」https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/kantai/taiki/noize/souon_kankyoukijyun.html
  • 東京都環境局「日常生活等の騒音の規制基準」https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/noise/noise_vibration/rules/300200a20220907112602077
  • 軽犯罪法 https://elaws.jp/view/323AC0000000039
  • 刑法(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045
  • 総務省公害等調整委員会「令和6年度公害苦情調査結果報告書」(2025年12月)https://www.soumu.go.jp/main_content/001045127.pdf
  • 長野県警察「#9110について」https://www.pref.nagano.lg.jp/police/soudan/seian/9110.html
  • 東京地判平成19年10月3日 判決文(マンション管理協会掲載)https://kanrikyo.or.jp/oyakudachi/pdf/vol10_03.pdf
  • 奈良地判平成16年4月9日 判決文(裁判所)https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-7365.pdf
  • 裁判所「民事調停」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_01/index.html
  • 裁判所「手数料額早見表」https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file3/315004.pdf
  • 国分寺市「生活音等に係る隣人トラブルの防止及び調整に関する条例」https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/area/reiki_int/reiki_honbun/c000RG00001347.html
  • 練馬区「騒音計・振動計の貸出」https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/omonajorei/kankyo/kisei/nado/souonkei.html
補足

この記事は一般的な情報です。個別の判断は弁護士や公的窓口(法テラス・弁護士会の法律相談など)に確認してください。

最終確認日:2026年10月3日

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